情報流通ビジネス研究所
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2010年度、フェムトセルの国内市場が離陸へ
ホームICTの核を徹底分析した市場調査レポート
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特集「モバイル・ソーシャル」アプリビジネスの特質と参入戦略(第1回)(2010/10/25)
本コラムの前回まで、「モバイル・ソーシャル」をキーワードに、活性化しつつあるグローバルなアプリケーションビジネスの立ち上がりと、主要プレイヤーの事業展開動向を捉えてきた。この1~2年でのグローバル市場で相次いだ、PC のSNS上の有料課金ビジネス(Facebook & Zynga)の急成長、そしてスマートフォン(iPhone)のグローバルでの急速な普及と、その上でのアプリケーションビジネスで巻き起こる熱狂は、新時代の到来を告げる事象であることに違いない。

(1)モバイル・ソーシャルアプリ市場への過大評価

「米国発ソーシャル」の喧伝に上滑り感

ただ今のところは、あくまで潜在的可能性の巨大さがイメージできるようになっただけの段階に過ぎない。グローバルなモバイル・ソーシャルアプリケーション市場が、現在の日本のモバイルコンテンツ市場と同水準の規模にまで拡大する筋道は、まだ切り開かれていないというのが実態である。「今すぐにモバイル・ソーシャルビジネスに参入しないと、たちまち時代に乗り遅れる」と言わんばかりの巷間の喧伝は、上滑り感を免れない。

なぜなら、これまで整理したように、モバイルでのアプリケーションの供給・利用を促す役割であるプラットフォーマーにおいて、かつてNTTドコモが力づくでiモードをマスに普及させた「攻め」の姿勢は見られないからである。すなわち、FacebookはPCサービスでの地位を不動にし、アップルは端末の革新性とキャリアに対するパワーバランスを保つことを優先させる――というように、それぞれ「守り」の姿勢にある。モバイル・ソーシャルアプリケーションにおける「新時代の創造主」として彼らを見た場合、準備不足や意気込み不足の感は否めないのである。

モバイル上位レイヤーの"穏やかな破壊と創造"

したがって、スマートフォン上のアプリケーションビジネスは、スマートフォンの急速な普及を考えれば相応のスピードで拡大することは疑いないものの、その成長スピードは、コンピューティング技術の発展に立脚した、比較的穏健なレベルに当面とどまるだろう。かつて日本のiモードでみられたような、一部のITリテラシーの高いユーザーとそれ以外のユーザーとの間に横たわる「キャズム」を飛び越し、新たな情報流通形態と文化が切り開かれるような革命的なシナリオは、今ひとつ想定しづらい。

また日本においては、 NTTドコモをはじめとする携帯電話事業者が端末に占めるスマートフォンのシェア上昇に対応した延命策を打つ 限りにおいて、「ガラパゴス市場」とも呼ばれる既存の日本のモバイル上位レイヤービジネス全体を破壊・代替するまでのインパクトは、少なくともこの数年では起きないものと予想される。

ソーシャル・バブル崩壊後に来るビッグチャンス

おそらく、グローバルなモバイルアプリケーション市場に対する期待は、現在のところ絶頂期にあり、いったんバブルがはじけ、人々の熱気が冷めるステップが挟まれる――という筋道を辿るのが、最も可能性が高いシナリオだと思われる。一方、 IT系ビジネスの歴史でこれまで繰り返されてきたバブル、すなわち「ネットが全てを変える」という幻想は、多くの場合、長期的には空虚な祭りで終わっているわけでもない。

そもそもスマートフォンのコンセプトは、長く日本のエレクトロニクスメーカーが夢想してきたものであった。FacebookとZyngaがようやくたどり着いたPC上の課金アプリについても、古くから繰り返し可能性へのチャレンジと挫折が繰り返されてきた。こうした10年以上の苦闘の末、クラウドやソーシャルといったプラスαの要素が加わったことで、ようやく風穴が空いたのである。

このように考えれば、現在の有力プレイヤーのわずかな先行性を捉え、「誰がエコシステムの盟主になるか」を一生懸命占い、それに追従する方法をあれこれ詮索するような近視眼的視野に囚われるのではなく、自社の手がける分野でどんな要素が満たされれば、モバイル・ソーシャルのエコシステムが立ち上がるかを中長期的視野で予測し、新たな環境の下における成功のメカニズムの仮説を、自社なりに組み立てるのが最善の道――ということができよう。(次回に続く)
(文/情報流通ビジネス研究所 SNS・ソーシャルアプリG+梶村  徹)

※本記事は、情報流通ビジネス研究所発行レポートの内容を不定期で掲載しているものです。同分野における経営企画や事業戦略、サービス企画等に携わる方々には、「モバイルSNS/ソーシャルアプリの事業分析と市場規模予測」(コンプリート版)のご活用をお勧めします。

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