情報流通ビジネス研究所
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特集・モバイルSNS/ソーシャルアプリ市場分析と今後の展望(第5回)(2010/08/31)
Facebookにおける成長の第2のロケットエンジンとなったのが、ソーシャルゲームを中心とする「アプリケーション」である。Facebook上のトラフィックは会員同士の交流(CtoC)から生まれ、収益の柱はCtoCのトラフィックから生まれる莫大なPVをバックにした広告収入であった。

課金プラットフォームへの進化で爆発的成長

ところが次第に、コミュニケーションツールとしてのブランド力を背景に、50万種類以上のアプリケーションや300万のファンサイト(うち約半数が企業サイト)等、BtoCの情報がより多く入り込むようになった。その結果、広告収入の堅調な成長が続くばかりでなく、米国のWebビジネスにおいて(アダルト等の一部の例外を除いて)はじめて有料課金ビジネスが急速に立ち上がってきている。

Facebookの売上で最も成長が著しいのが、前年の50倍に達すると見込まれるバーチャルグッズ売上であり、Facebook自社によるバーチャルグッズ販売だけでなく、サードパーティによるアプリによってもたらされる収益が含まれている。

サードパーティの有料アプリの場合、Facebookの売上はそこから得られる手数料のみであるから、経済圏の規模としては1000百万ドルを超え、広告収入の規模をすでに超えるレベルに成長しているとみられる。

これらのゲームの出来は相当単純で、日本製のゲームに慣れた身には何が面白いのか、首をひねりたくなる内容である。しかし、Facebookの会員間のコミュニケーションにおける話題の一種として、ゲームを理解すれば合点はいく。

すなわち会員は、ゲームそのものではなく、ゲームをきっかけにした他の会員との触れ合いやじゃれ合いに価値を見出しているので、ゲームとしての複雑さや奥深さはむしろ邪魔になる。この点は、モバゲーやGREEのゲームに対する支持と背景が共通している。

モバゲーやGREEとSNSとしての発展の道のりはかなり異なるものの、Facebookも結果として、ユーザー数を基盤に広告と課金の両方を上乗せし、重畳的に収益が増加する「確変」領域に突入しつつある。

現状、会員一人あたりの月間課金収入は、日本のモバイルSNSの課金単価とは桁が一つ小さいが、それでもその意味は大きい。なぜなら、Facebookは元来、会員情報管理と会員間コミュニケーションのための「ツール」を提供するサービスであり、モバゲーやGREEのように特定の情報を押し出し、消費行動を誘発する「メディア」としての志向はさほど強いものでは元来なかった。

それにも関らず、外部事業者による様々なアプリケーションを呼び込み、その上でコミュニケーション・インタラクションの活性化を図るべく、API提供を通 じ支援を続けてきた結果として、ユーザーの消費意欲を創出するビジネスプラットフォームとなるまでに進化したからである。

その差は、「2ちゃんねる」やブログ等の既存のCGMが生んだ消費行動の規模と比較すれば明確であろう。(次回に続く)
(文/情報流通ビジネス研究所 SNS・ソーシャルアプリG+梶村  徹)

※本記事は、情報流通ビジネス研究所発行レポートの内容を不定期で掲載しているものです。同分野における経営企画や事業戦略、サービス企画等に携わる方々には、「モバイルSNS/ソーシャルアプリの事業分析と市場規模予測」(コンプリート版)のご活用をお勧めします。

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