情報流通ビジネス研究所
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特集・モバイルSNS/ソーシャルアプリ市場分析と今後の展望(第4回)(2010/08/07)
日本はアクティブユーザー数165万人にとどまり、知名度が高いとはいえないFacebookであるが、本国の米国では圧倒的No.1のSNSであり、アジア地域以外の多くの国でもNo.1のグローバルな勢力として成長し、全世界のアクティブユーザーは約5億人に達する。米国では利用者(月間ユニークユーザー)がネットユーザー全体の70%に達する国民的なサービスに成長、PVや滞在時間でGoogleすら超える存在にまで一気に躍進を果たした。


2.世界でのソーシャルビジネスの勃興とモバイル化

(1)Facebook大躍進の背景

この大躍進の要因については諸説あるが、仲間内のディープなコミュニケーションから、関係の浅い人同士のライトなコミュニケーションまでを同一プラット フォームで可能にした、コミュニケーションに当たっての個人情報管理機能の柔軟性・応用性の高さが、成功の源流にあったと考えられる。

もともと、米国のSNSではMySpaceが先行的に発展していた。しかし、年齢層ではティーン・エイジャーのコミュニケーション(チャットや出会い系) をターゲットとし、ジャンルでは音楽を中心としたエンタメ系のサービスとしての作りこみに傾斜したNews Corp傘下のMySpaceとは対照的に、独立系のFacebookは、ハーバード大学を発祥としてユーザーを上流階級中心に広げつつ、サービス面では メディアとしての演出は避けた。

その代わり、会員情報管理とユーザー間のコミュニケーションにおける機能性を、徹底的に追求していったのである。Facebook では実名を会員登録し、実名に基づくコミュニケーションを行うのが基本である。

会員プロフィールや友人・知人の登録にあたっては、趣味や嗜好はもちろんのこと、過去の学歴・職歴や住所・電話番号等の連絡先までできる限り幅広く詳細な 情報をデータベースとして登録させる仕組みになっている。このように、コミュニケーションツールである前にプライバシー情報の記録・管理ツールとしての基 本的性格を強く持っている点が、Facebookの他のSNSとの大きな違いである。

一方、コミュニケーションにあたって友人関係の構築が承認・許可制となっていることは、他のSNSと基本的には変わらない。だが、コミュニケーションの 「場」ごとに、情報の伝達対象範囲を個別設定し、相手との距離に応じた情報公開・共有を行いやすい仕様になっている点が、大きな特色である。

その結果、親しい私的な友人との間では、パーティへの参加者を募集し、参加予定者には会場・日時や他の参加者を連絡、パーティ後は参加者間で写真を投稿・共有してコメントを付け合うといった、内輪の信頼を前提にプライバシーを晒すディープなコミュニケーションが楽しめる。

一方、単なる知り合いもしくはビジネス上の付き合いに過ぎない会員との間では、多くのプライバシーを明かさず、距離を置いたライトなコミュニケーションスタイルを選択することもできる。

シンプルなユーザーインターフェースも含め、エンタメ的な脚色を極力排除し、コミュニケーションに当たっての個人情報管理の柔軟性・応用性を追求したこと で、エリート大学生において、ツールとして信頼性が高く、集うユーザーの質もMyspaceとは一線を画すコミュニケーションサービスとして認識され、人 気に火がついた。その評判がリアルな人間関係を通じて広がることで、上流階級を中心に圧倒的な支持を獲得していったのである。

その後も、モバゲーやGREEとは対照的に、マス広告等で一気にユーザー獲得に乗り出すことはなく、リアルな友人からの高品質なサービスとの評判を原動力 として中流以下の階級や海外に自然増殖的にネットワークを広げていくことで、FacebookはMySpaceとのブランドイメージの差を保ったまま、マ スサービスとしてMyspaceを逆転するにいたった。
(文/情報流通ビジネス研究所 SNS・ソーシャルアプリG+梶村  徹)

※本記事は、情報流通ビジネス研究所発行レポートの内容を不定期で掲載しているものです。同分野における経営企画や事業戦略、サービス企画等に携わる方々には、「モバイルSNS/ソーシャルアプリの事業分析と市場規模予測」(コンプリート版)のご活用をお勧めします。

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