情報流通ビジネス研究所
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特集・フェムトセルの動向と市場展望(第1回)(2009/02/06)

家庭やオフィスなど、屋内に敷設されたブロードバンド回線を経由して、携帯電話のコアネットワークに接続する超小型基地局がフェムトセルだ。フェムトセルから発せられる電波の出力は、一般的に10m~20mWとされる。エリア半径にして数10m程度――と、家庭向けコードレス電話のサービス範囲と同じイメージである。エリアカバレッジが半径数百mから数kmのピコセルやマイクロセル、マクロセルといった既存の携帯電話基地局と比較して、セル半径がかなり狭められていることから、10のマイナス15乗を示す「フェムト」という名前がつけられた。

フェムトセルの主な特徴を以下に示す。

①家庭内やオフィス内に設置し、屋内の通話品質を改善
②FTTHやDSL、CATVなどの商用ブロードバンド回線に接続
③価格は数万円程度
④端末が外に出た時は、屋外基地局に無線接続
⑤利用者の設備としてユーザーが設置するケースも想定

その名が示す通り、一般的にフェムトセルは屋内向けの極小基地局と説明されることが多い。もちろんそれは、間違っていない。しかし、そのような無線ソリューションとしての役割だけが、フェムトセルのすべてではないことを念頭に置くべきだ。

フェムトセルは携帯電話の基地局であるとともに、家庭にひかれた固定の商用ブロードバンドにつながる機器でもある。いってみれば、FMC(固定と移動の融合)を実現するためのソリューションだ。フェムトセルを見る上で、この観点は欠かせない。家庭内に置けるほど小さい基地局という側面ではなく、固定と移動の間に介在しているという部分にこそ、このデバイスの本質を見い出すことができる。

FMCサービスとして提供されるシステムは、屋内基地局(アクセスポイント)への無線接続に、
①携帯電話とは異なる周波数帯域・システムを用いるもの
②携帯電話と同じ周波数帯域・システムを使うもの
――の2つに大きく分けられる。

前者は、無線LANなど免許不要周波数を使って固定と移動をシームレスに使えるようにするための技術「UMA」(Unlicensed Mobile Access)用の無線アクセスポイントを、後者がフェムトセルをそれぞれ使う。そしてフェムトセルは、収容するコアネットワークや呼制御プロトコルなどによって、「Iub over IP/集線装置型」「UMA型」「IMS型」――の3タイプに分類できる。

(文/株式会社情報流通ビジネス研究所 所長 飯塚周一)

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