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特集・本番を迎えたMVNOと日本の国際競争力を考える(第3回)(2009/06/07)
国内市場の飽和に伴って、ここにきて叫ばれるようになってきたのが、日本の携帯電話産業の国際競争力強化だ。これまで、国内の携帯電話事業者や機器ベンダー、コンテンツプロバイダといった主要プレーヤーは、海外にビジネス展開してきたものの、果実を得るところまでは至っていない。
MVNOビジネスと日本の国際競争力 例えば国内の携帯電話事業者は、3G国際標準化に対する早期からの積極的関与や海外オペレータへの出資、あるいは技術供与といった形で国際展開してきた。しかし今までのところ、なかなか実を結ぶことはできていない。そのひとつの要因として挙げられそうなのは、自らが携帯電話事業そのものを 現地で行っていないということだ。 これを実現する手段として考えられるのは、国内携帯電話事業者による海外でのMVNO展開である。現地 MNOと交渉の上、自らMVNOとなって携帯電話事業を行う。当然、ネットワークオペレーションのノウハウは、当初から備えている。現地MNOのサポート を必要する部分があるとすれば、流通チャネルの確保やマーケティング活動、料金請求・回収といったところだろう。 欧州各国の主要オペレータの多くがそうであるように、海外では相互にMVNOとして参入しあっているケースが少なくない。 彼らは自国のマーケットにとどまることなく、他国でも実際に携帯電話ビジネスを展開することを通じて、国ごとに存在する文化や言語、商習慣といった差異を吸 収し、マーケティングのローカライズを巧みに行う。グローバルオペレータの大半が欧州の事業者だということは、さしずめ偶然というわけでもなさそうであ る。 自国と市場構造が異なる国で事業展開するには、有形無形の障壁が存在しているはずだ。しかし、それらを乗り越えることによって、海外ビジネスを進める上でのノウハウやリスク対応能力といったことがおのずと身につくのだろう。 国内の携帯電話事業者が今まで採ってきたように、海外オペレータへの技術供与やマイナー出資もひとつの策だ。ただ、日本の端末ベンダーやコンテンツプロバイダまでひきつれて、「ジャパン・ブランド」を立ち上げるほどの影響力は期待できそうにない。 海外市場に向けて、日本の高度なネットワークサービスと技術を大々的にアピールしていくためには、事業者自らが直接現地でサービスを展開し、世界的に優れた端末やコンテンツをトータルで提供する形の方が、即効性のある収穫が得られそうである。 こ うした活動の積み重ねこそ、国際市場への対応力を醸成するための条件になっていくのではないだろうか。もちろんそのためには、日本市場が内外に対して開 かれたものになっている必要がある。海外企業もMVNO参入可能な環境があってこそ、国内の携帯電話事業者がMVNOとして海外の現地オペレータと交渉・ 参入できるというものだ。 (文/株式会社情報流通ビジネス研究所 所長 飯塚周一)
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