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mixiにおける水平分業戦略――仮想敵はfacebookに(2010/09/15)
mixiが自らを「ソーシャルグラフ・プロバイダ」と位置づけ、ヤフージャパンや楽天、モバゲー、Zynga等、幅広いサードパーティー(SAP)のコミュニケーションを、「mixi Graph API」や「mixi Plug-in」を通じて支援するという、SAPとの水平分業戦略が明確になった。
facebook/mixiは市場支配者か? 単なる土管か? これは、かつてのMicrosfoft(ブラウザ)やGoogle(検索)のように、ソーシャルコミュニケーションでネット上のトラフィックの根元を押さえるOS的な機能を狙う、facebook型の戦略である。Mixiがfacebookを仮想敵と想定し、全面対決に出る構図が明確になった――とみることもできよう。 では、これからの本格的なソーシャル時代において、mixiあるいはfacebookにインターネット業界の競争軸が収斂していくのであろうか。検索からソーシャル時代への世代交代は起きるということを前提としても、mixiやfacebookが支配者となるシナリオには、疑問の余地も少なくない。 mixiやfacebookの立ち位置は、ネット企業から見たときのNTT本体(固定部門)、換言すれば「土管」に近く、NTTの携帯電話部門である「ドコモ」(かつては、モバイルCPからみて市場の創造主)のレベルにまで、その影響力は達していないというイメージである。 facebookの場合でさえ、ソーシャルゲームでいえばZynga、リアルタイムコミュニケーションでいえばTwitter等、facebookからみれば「アプリ」である各社の存在感は、日を追うごとに高まっている。特に、今回のmixiの座組みで言えば、力関係の逆転構造は最初から鮮明であり、モバゲーをはじめ、ヤフーや楽天等の相対的な力は非常に大きい。 もちろん連携機能を通じて、facebookもしくはmixiに個人のログが今後加速度的に集積されていく、つまりストックとしてのソーシャルグラフがfacebookもしくはmixiに集中することは、決して否定できない。 しかし実際の利活用、すなわち会員間のコミュニケーション・インタラクション、そしてトランザクション(マネーフロー)を生み出す主導権は、すでに今 SAPが握りつつある。今後リアルタイム・ロケーションベース等、TPOに応じたコミュニケーションが本格化するなかにおいて、ソーシャルグラフ運用の主導権がますますSAP側に移るという、「軒先を貸して母屋を取られる」構図になると考えるのが、世界的に見ても自然だということができる。 背伸びしたプラットフォーマー戦略と現実の変化 現在mixiは、重大な岐路に立たされているものと思われる。同社の場合、日本においてはまだアクティブユーザーが1500万人規模に収まっており、米facebookのような全ユーザー参加に近い、圧倒的な地位を得たといえる状況にはない。 NTTドコモにせよGoogleにせよ、その技術やインフラが圧倒的な力を持ちえた要因として大きいのは、彼らがエンドユーザーをまず押さえ、かつ技術・ インフラのロードマップを展開し、その利活用で終始主導権を握るという、2つの条件を同時にクリアした点である 。例えばドコモであれば、ロードマップ通りに端末と新サービスが生まれ、Googleは検索技術から検索連動広告配信というキャッシュ創出マシンを展開した。 そうした観点からすれば、mixiがSAPを儲けさせ、mixiの集客力とロードマップに従うしかないと思わせるには、まだ力不足の感は否めない。日本 発のソーシャル・プラットフォームに対する期待は大きいだけに、もう一段の非連続的な仕掛けが待ち望まれる。 (文/情報流通ビジネス研究所・SNS/ソーシャルアプリG+梶村 徹)
※本記事は、情報流通ビジネス研究所発行レポートの内容を不定期で掲載しているものです。同分野における経営企画や事業戦略、サービス企画等に携わる方々には、「モバイルSNS/ソーシャルアプリの事業分析と市場規模予測」(コンプリート版)のご活用をお勧めします。※2015年までの各種の市場予測値や詳細な分析に加え、プレゼン資料作成に便利な図表データ(Excel)も活用可能です。大手企業だけでなく、各種デベロッパーやCPなど、モバイルビジネスに取り組むベンチャーにもお使いいただけるよう、プロ向けの調査資料としては破格の9,800円でご提供しています。詳細はこちら [コラム関連記事]
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