情報流通ビジネス研究所
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2010年度、フェムトセルの国内市場が離陸へ
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フェムトセル関連市場と事業戦略の展望

フェムトセル集中調査プロジェクト第一弾
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特集「モバイル・ソーシャル」アプリビジネスの特質と参入戦略(第6回)(2011/01/31)
利用者(メンバー)にとってのソーシャルサービスは、本質的に格差が組み込まれたヒエラルキー社会であることをここまで示した。実は、コンテンツ提供者(SAP)側においても、ソーシャルビジネスは既存メディア上のビジネスに比べても、明暗がくっきり分かれる成果の格差が劇的に開く構造にあると考えられる。

(5)迫り来るSAPの淘汰・選別

SAPビジネスにおける成否の分水嶺

何故ならば、ソーシャルサービスにおいて、継続的・安定的な成功を生み出す上で、SAPに求められるノウハウないし経営資源は多岐にわたり、多数の失敗から成功を選別するポートフォリオマネジメントのノウハウと、それに耐え得るだけの経営体力が必要と考えられるからである。

オープンプラットフォームのもと、常に新たな新規・更新コンテンツが供給されるソーシャルビジネスにおいては、ユーザーの情報接触時間の争奪戦の激化は避けられず、確実な成功を事前に予想することが難しい。従って、数多くのトライアルからユーザーに受けそうなコンテンツが現れるのを、実サービスをテスト運用しながら待つという、なかなかに我慢強いオペレーションがSAPにおいて必要になる。

第2の関門が、ユーザーの初期的反応の良いコンテンツのユーザー数やARPUを増やし、投資回収を極大化させるためには、プロモーション投資が必要とされる点である。垂直立ち上げに当たっては、ソーシャルサービス上の会員を刺激する仕掛けをコンテンツに組み込み場が活性化したタイミングで、その勢いに一気 に火をつけるプロモーション投資が本来有効と考えられるが、独立系ないし新規参入のSAPがその資金を十分に準備できるとは限らない。

結果ほとんどのSAPとしては口コミ主体での地道なユーザー拡大を目指すしかないが、これではせっかくユーザーから好反応が寄せられる段階に達しても、 ユーザーから強まるサービス強化要請に応えるべく運用コストが逓増し、投資回収時期が潮の引くように遠ざかっていく...といういたちごっこのジレンマに陥る ことになりかねない。

ブレイクしたコンテンツの「売り延ばし」ノウハウ

こうした厳しい関門を潜り抜け単月黒字化を果たしたとしても、これまでの初期投資はかなりのものになる。それを回収するために、黒字化したタイトルの黒字 幅を継続的に維持・拡大していくことが重要になるが、こうしたサービスオペレーションノウハウを持った企業は、基本的に売切り型のビジネスを展開してきた日本のコンテンツ業界には少ない。

コミュニケーション・インタラクションをコンテンツに組み込みつつ、飽きの来ない息の長いサービスにいかに仕立てあげるか、また新規ユーザーを低コストで流入させ続けつつユーザーの質を維持向上させていくか、こうしたノウハウはまだ初期形成段階にあり、発達までには試行錯誤を要するだろう。

結局のところ、多数の失敗タイトルの中から、少数の売り伸ばし可能なロングヒットタイトル(キャッシュカウ)を獲得できたSAPが競争優位と言う当たり前 の結論が導かれる。そうなると、複数のプラットフォーム(モバゲー、GREE、AppStore...)に対応しユーザーベースを広げることで回収額を極大化させることが王道となるが、それは初期運用費・人員負担の追加となる。

ゲームにおいて、iTunes/AppStore等のモバイル上のアプリケーションが、従来のパッケージソフトに比して開発コストが桁違いに小さく、ロングテールのビジネス機会が大きいと喧伝する向きは多い。確かに参入するだけならその障壁は圧倒的に低いのは現状事実だが、事業として成功に至る確率は従来型パッケージに比べはるかに小さいとの認識が同時に必要である。

そもそも開発費が安価と言う前提自体、モバイル端末の表現・操作の性能がコンソールゲームのそれに比べ低いことに多くは起因しており、iPadを皮切りに、携帯電話・スマートフォンとゲーム機の性能格差が収束するに従い、無意味になっていくだろう。

このように考えると、モバゲー、GREE、 AppStore、Android Market等のオープンプラットフォーム化の熱狂が醒めた後には、成功を夢見て参入したほとんどのSAPが屍を連ね、その荒野の中で極めて少数のSAP が筋肉隆々と体力を蓄えるという、なかなか殺伐した光景が広がっている可能性も予想される。したがって、コンテンツ企業がSAPとして成功を収めたいので あれば、「一発屋」に終わらない、競争を持続的に勝ち抜くための経営の基礎体力の増強にこれまで以上に目配りすることが必要になってくる。
(文/情報流通ビジネス研究所 SNS・ソーシャルアプリG+梶村  徹)

※本記事は、情報流通ビジネス研究所発行レポートの内容を不定期で掲載しているものです。同分野における経営企画や事業戦略、サービス企画等に携わる方々には、「モバイルSNS/ソーシャルアプリの事業分析と市場規模予測」(コンプリート版)のご活用をお勧めします。

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