情報流通ビジネス研究所
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スマートフォン大競争時代・第3回(モバイルインターネット要覧2011より)(2010/12/14)
OS別スマートフォン販売台数市場の推移についてみてみると、2009年まではAppleのiPhoneがスマートフォン市場を席巻し、主にノキアの擁するSymbianベースのスマートフォン需要をすくい取った形といえる。スマートフォン市場全体が伸びるなか、iPhoneはさらに成長して2010年通年で前年比約160%、スマートフォンという市場カテゴリー内シェアでみて15%程度にまで成長することが見込まれる。

携帯電話の新たなUIと革新性で一般ユーザーを魅了し、スマートフォン需要の発火点となったiPhoneであるが、各国携帯電話オペレータとの絶妙な駆け 引きによるAppleの統合ビジネスモデルは、こと販売・出荷規模という面でみると、2010年後半に入って早くもAndroid OS勢に包囲されようとしている。

ノキアを除くグローバル端末ベンダーはもとより、シャープや東芝といった日本勢など、各国のハードベンダーがオープンOSであるAndroidを搭載したスマートフォンを続々と登場させてきた。

すなわちiPhoneは、スマートフォン需要自体が急拡大するなかにおいて、生産規模という競争軸を突きつけられ始めてきたのである。とりわけ、グローバ ル端末大手2位のサムスンが猛チャージに出ており、それにソニー・エリクソンなども加わることで、2010年にはAndroid OS搭載機がiPhoneを抜き、Symbianに続くシェアを確保するものと予想される。

2010年10月末、AppleはベライゾンのCDMAネットワーク版iPhoneのリリースを明らかにし、数の確保に走り始めた感がある。CDMA版 は、やがて他国のオペレータ向けとしても販売されいくものと考えられる。が、世界の9割近くがGSM/UMTS系ネットワーク加入者である以上、CDMA 版の販売によってスケールが劇的に大きくなることはないだろう。iPhoneのスケール感が増すのは、主としてCDMAオペレータの多い北米市場にとどま る格好になると思われる。

とどのつまり、Apple単独で持ち駒はiPhone1機種という布陣による、世界規模のスケール確保には限界がある。同社自身、携帯電話において年間数 億台規模の生産管理や販売管理、きめ細かなローカライズの経験やノウハウをさほど持たない以上、Android陣営による包囲網が完全に確立される 2011年が、iPhoneのシェアとしてはピークになろう。

このように、従来の携帯電話端末ベンダーの想像が及ばぬ、革新性とUIを打ち出したApple独自の優位性は、急速にキャッチアップされている。これに加 えて、多くのベンダーがオープンOSのAndroid搭載スマートフォンを次々と打ち出していくことで、同社のプレゼンスは一定ユーザー層に対してのみ、 有効なものになっていくと考えられる。大まかなユーザーのイメージとしては、Macを使用するPCユーザーという形になるだろう。

iPhoneに対する一種のブランド化に腐心してきた同社としては、PCと同様のコンセプトを打ち出し続けるのが良策である。規模を追うことは、これまで 培ってきたApple/iPhoneブランドをむしろ棄損し、同社の統合ビジネスモデルの根底を自らが崩してしまうことにつながりかねない。

前回記した通り2011年をピークとして、それ以降iPhone/iOSは、スマートフォン市場全体の成長とともに数量こそ伸びるものの、2015年のシェアは10%程度へと収斂していくものと予想される。(次回に続く) →詳細
※本記事は「モバイルインターネット要覧2011」の内容を一部抜粋したものです。
(文/情報流通ビジネス研究所 所長 飯塚周一)

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