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スマートフォン大競争時代・第2回(モバイルインターネット要覧2011より)(2010/12/13)
スマートフォン出荷台数では、ノキアのSymbianが2008年まで圧倒的な数量で首位を維持していたが、AppleのiPhoneの登場以来、各社の市場シェアは激しく変動するようになった。ノキアは、2009年にスマートフォンにおけるシェア50%を割り込み、2010年第2四半期にいたるまでそのシェアは下落し続けている。2010年下半期は、Android搭載スマートフォンの相次ぐ発売によって、さらにそのシェアを落としていくものと考えられる。
スマートフォンが大衆化への道を歩き始める以前から、ビジネスパーソン向けにBlackBerryを製造しているスマートフォンの老舗、RIMは2008年~2009年に急成長した。市場でのスマートフォン・ブームの波に乗り、2009年の出荷台数は前年比約48%、シェアは20%弱にまで上昇している。しかし2010年上半期に入り、Appleの急拡大やAndroidの本格的な登場によって、シェアは下降気味である。 2007年に登場し、まずRIMを追ったのがiPhoneを打ち出したAppleである。同社は、革新的なUI/UEをもってそれまでの携帯電話のコンセプトを刷新し、スマートフォンの大衆化ムーブメントを作り出した。登場以来Appleは、世界の携帯電話端末市場において急速にその存在感を高め、2010年には17カ国においてiPhone4を発売開始し、ますます成長し続けている。 IDC調査によれば、2010年第3四半期(2010年7-9月期)のiPhone販売台数は1410万台――と前年同期から91%増加したという。四半期単独ではあるが、これによって世界の全携帯電話端末における市場シェアで、RIMやソニー・エリクソンを抜き世界第4位の座に駆け上がった。 すなわちAppleは、もはやスマートフォンというカテゴリー内にとどまらず、携帯電話端末市場という大きな枠の中においても、一定のプレゼンスを持ち始めたのである。 同社は、それまで米国でAT&Tと独占販売契約を結び、UMTSネットワークに対応するiPhoneを販売していたが、2010年10月末、CDMAオペレータであるベライゾンからの発売を明らかにした。もともとネットワーク品質に対する評価の高いベライゾンからiPhoneが発売されることにより、年間800万~900万台が同社経由で販売されるともいわれている。 従来のUMTS/HSPA系に加え、CDMA系ネットワークへの対応という横展開に出たことにより、スマートフォン市場における同社のシェアは、短期的にはより上向くことになると考えられる。 Androidの本格的離陸で乱戦市場へ Appleがスマートフォン市場におけるシェアを伸ばし、携帯電話端末全体においても2010年第3四半期単独でビッグ5に食い込むなど、端末ベンダー間競争でスマートフォンは無視できない商材になった。今後は、スマートフォン戦略の舵取りが各社の帰趨を決める、重要なファクターとなっていくであろう。 Appleに続き、これからの大化けが期待されるのは、Googleの打ち出したオープンOS、Android搭載スマートフォンである。もともと台湾のPDAベンダーで、マイクロソフトのWindows Mobile(以下、MWM)を他社に先駆け導入してきたHTC(宏達電)が2008年10月、世界初のAndroid搭載モデル「T-Mobile G1」を製造、T-モバイルUSAから全米向けに発売された。 2008年~2009年は、HTCがAndroid搭載スマートフォンで先行する形となり、続いてモトローラが同OS搭載の「DOROID」を発売、ヒットさせた。モトローラは、2007年~2008年第3四半期にはスマートフォンを200万台以上出荷し、同市場シェア第5位の座を確保していた。しかし、ここにきて出荷台数を大幅に減らし、2009年第3四半期にはサムスンにスマートフォン市場5位の座を奪われた。 モトローラはそれまで、世界の携帯電話端末市場シェアで、2004年下半期発売の携帯電話「RAZR」が単一モデルとして最高となる7500万台以上の販売を記録している。だが、それ以降鳴かず飛ばずで、2008年にはサムスンに、翌年にはLGに、それぞれ抜かれてシェア4位に落ち込んだ。同社としては、DOROIDに続くAndroid搭載端末でシェア奪回を図りたい意向を持つ。 2010年に入ってからは、HTCに続きソニー・エリクソンやサムスン、シャープ、東芝、パンテックといったベンダーから、続々とAndroid搭載スマートフォンがリリースされており、今後さらにAndroid OSを端末に搭載するベンダー数は増えていくだろう。 日本の端末ベンダー製品に対する評価はこれからの状態であるが、これらに先行してサムスンが海外に広く発売している「Galaxy S」などは高い評価を受け、欧米ではすでにiPhone4と激しい競争が展開されている。 従来、ノキアのSymbian OSが大手をふるい、そこにAppleが割って入り、ここ数年iPhoneの独壇場となったスマートフォン市場は、Android OS勢の本格的な参入によって、各種ベンダーが一気に乱立する構図へと様変わりしていくのである。(次回に続く) →詳細 ※本記事は「モバイルインターネット要覧2011」の内容を一部抜粋したものです。 (文/情報流通ビジネス研究所 所長 飯塚周一)
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