情報流通ビジネス研究所
2010年10月
ガラパゴス市場の本質を曲解した議論が少なくない。ガラパゴス現象とは何だったのか。原点に立ち返るべく、 2006年発行のレポートを2回にわたって全文公開する。掲載データや内容は古いが、5年前にその必要性を指摘した、メーカー再編もまだ途上といえよう。LTEへの端境期、かつスマートフォンというトレンドが押し寄せてきた今、3Gの失敗を繰り返すことなく、日本の競争力が向上するための参考になれば幸いである。
最近は「ガラパゴス携帯」という言葉が独り歩きし、ことの本質を曲解した議論も少なくない。ガラパゴス現象とは一体何だったのか。原点に立ち返るべく、2006年発行のレポートを2回にわたって全文公開する。掲載データや内容は古いが、5年前に指摘した点はさほど変化していない。LTEへの端境期である今、3Gの失敗を繰り返さないためにも、一読いただきたい。
いったん上記のメカニズムで、一定のテーマ性とストーリー性を持った渦が形成されると、ネットワークの外部性により渦が新たなメンバーを巻き込み、話題が奔流のように拡散していく。Facebookや Twitterにおいては、ShareやLike(Facebook)、Retweet(Twitter)等の情報共有機能が有効に機能する。
前節に掲げた問題意識のもとで、そもそも「ソーシャル」とは何かと言う原点にいったん立ち戻りたい。これまで記してきた、数々のソーシャルサービスに共通するユーザーにとっての価値は、概ね下記のようなものと推察できる。
本コラムの前回まで、「モバイル・ソーシャル」をキーワードに、活性化しつつあるグローバルなアプリケーションビジネスの立ち上がりと、主要プレイヤーの事業展開動向を捉えてきた。この1~2年でのグローバル市場で相次いだ、PC のSNS上の有料課金ビジネス(Facebook & Zynga)の急成長、そしてスマートフォン(iPhone)のグローバルでの急速な普及と、その上でのアプリケーションビジネスで巻き起こる熱狂は、新時代の到来を告げる事象であることに違いない。
1983年の本格的商用サービス開始以来、25年以上過ぎた米国携帯電話市場は、2009年の普及率が95%に肉薄し、成熟期を迎えている。AT&Tモビリティ、ベライゾン・ワイヤレス、スプリント・ネクステル、T-モバイルUSA――の4大メジャー携帯事業者が市場をリードし、3Gネットワークの広がりに加え、モバイルデータサービスが本格化することで、携帯電話事業者間の競争も激しさを増している。
なぜ、iPhone経済圏のアプリ課金市場規模は、日本のガラパゴス市場に比べて、一桁小さいままなのだろうか? 第1の理由は、アップル端末は売れ筋であっても、携帯端末市場全体で圧倒的なシェアを占め続けることまでは難しく、累計加入(稼動)者数ベースのシェアがある程度限定的にならざるを得ないからである。
日本では2008年に発売開始されて以降、当初の販売低調を乗り越え、日本だけで2009年度の販売台数140万台に達したと言われるiPhone。世界市場においても、2009年通年の販売台数が2510万台と前年比で倍増し、端末メーカーとしてAppleは大手の一角を占める躍進を果たした。当初、ITマニアしか食指を伸ばさないガジェットであったiPhoneも、日本では今や女性の購入比率が40%にのぼり、少なくともビジネスマンやIT感度の高いユーザーの多い東京都心では、iPhoneが今や最もメジャーなモバイル端末にのぼりつめたことが実感できる。
Facebookは、ゲーム等のアプリケーションビジネスを自ら手掛ける立場ではなく、Facebookにおけるユーザー交流の活性化とそれによるライフログ・ソーシャルグラフの独占を目的とし、その手段として外部のアプリケーションを幅広く呼び込むことが役回りである。すなわちSAPに対しては、オープン・水平分業型のビジネスモデルが大前提となっている。
Facebookに果たして死角はないのだろうか? 前述のようにFacebook は、PCにおいて会員がプライバシーを柔軟に管理し、相手との間の距離を制御しながらコミュニケーションを行えるツールとして発展してきた。こうした基本コンセプトの裏返しとして、モバイルコミュニケーションへの対応に難があることが、Facebookにおける課題のひとつとして挙げられる。
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