情報流通ビジネス研究所
2009年6月
コミュニケーション系や娯楽系のデータ通信アプリケーションやコンテンツビジネスは、それぞれの国の文化や生活習慣によって左右される部分が多い。一時期ブーム化したモバイルCPの海外進出も、実を結ぶことはできなかった。これに対し、企業向けモバイルソリューションビジネスは、ユーザーの目的とする部分において国境の違いはない。利益向上や合理化はどこの国の企業でも一緒である。
MVNO参入を契機とする、端末メーカーの旧弊脱却シナリオをこれまで示した。そうはいってもメーカーは、やはり国内事業者の端末製造部門として延命を図ろうとするのか、それとも現状に見切りをつけ、情報家電や宅内機器とネットワークをセットにした、総合サービス戦略に向かおうとするのだろうか。
メーカーが1社単独でMVNOを旗上げするだけでは、とてもMNOのトラヒック向上が望めず、影響力が出ないなら、端末メーカーの共同プラットフォームとして、ひとつの大きなMVNO組織体を立ち上げればいい。
MNOやMVNOに納入するだけでなく、メーカー自身がMVNO参入を果たすという、新ビジネスの可能性も考えられる。完全オリジナルで企画・開発した携帯電話やモバイル端末、あるいは専用端末、M2M機器といったものを、自らが全面的に関与するチャネルで、ネットワークサービスと一緒に販売する。
国内の携帯電話端末メーカーは、外部環境のめまぐるしい変化に囲まれながらも、1994年に行われた端末自由化以来、10余年にわたり事業者依存のビジネスモデルを継続させてきた。
国内市場の飽和に伴って、ここにきて叫ばれるようになってきたのが、日本の携帯電話産業の国際競争力強化だ。これまで、国内の携帯電話事業者や機器ベンダー、コンテンツプロバイダといった主要プレーヤーは、海外にビジネス展開してきたものの、果実を得るところまでは至っていない。